金研研究会2024


~強相関物質における創発物性研究の現状と将来展望~

趣旨説明

強相関電子系の研究は、高温超伝導体の発見以降、遷移金属酸化物を中心としたモット絶縁体近傍に現れる多彩な電子相の研究が行われてきており、特にマンガン酸化物における超巨大磁気抵抗効果やフラストレーション格子におけるスピン液体相などの研究が注目を集め、最近ではマルチフェロイクスと呼ばれる磁性強誘電性やスキルミオン格子と呼ばれるトポロジカル磁気構造体の研究へと発展してきた。また、一方で、磁性体の微細デバイスの研究も、金属多層膜における巨大磁気抵抗効果の発見を契機に「スピントロニクス」分野として発展しており、スピン流と呼ばれる概念のもと理解が進んできた。さらには、トポロジカル絶縁体やマヨラナフェルミオンなど物質中のトポロジーによって現れる創発物性の研究も近年盛んに行われてきた。これらの物理現象の理解はかなり進んでおり、基礎物性物理としては一区切りをつけて次の展開を考える時期が来ている。本研究会では、分野の次代を担う新進気鋭の研究者を招いて分野の次の展開を議論する。

世話人:小野瀬佳文


  • 日時:2024年4月20日-4月21日
  • 会場 : 東北大学金属材料研究所講堂(アクセス
  • 形式:ハイブリッド (ZOOMによるオンライン参加登録はこちら [締切4/17])
  • 懇親会:4/20夜(会費4千円) 参加希望者はこちら [締切4/12]


  • 講演プログラム

    4/20 (土)

    13:00- 初めに

    セッション1: 動的応答

    13:10-13:50 松原 正和 “非線形光学を用いた量子物性探索とメタ光スピントロニクス”

    13:50-14:30 廣理 英基 “テスラ級のピコ秒磁場パルスの生成と超高速スピン状態制御”

    14:30-14:45 休憩

    14:45-15:25 只野 央将 “先進フォノン計算を用いた機能材料開拓”

    15:25-16:05 和達 大樹 “X線の時間構造を利用した電荷・スピンのダイナミクス観測”

    16:05-16:20 休憩

    セッション2: 先端計測と新現象

    16:20-17:00 打田 正輝 “面内異常ホール効果の観測”

    17:00-17:30 木俣 基 “三次元ベクトル強磁場と微細加工による物性計測の高度化”

    17:30-18:10 石井 賢司 “共鳴非弾性X線散乱による遷移金属酸化物の電子励起観測”


    4/21 (日)

    セッション3: トポロジーと対称性の破れ

    9:30-10:10 笠原 裕一 “磁性絶縁体におけるトポロジカル準粒子励起とその実験的実証”

    10:10-10:50 橋本 顕一郎 “フラストレーションが誘起する強相関トポロジカル現象:カゴメ格子物質とキタエフ物質を中心に”

    10:50-11:05 休憩

    11:05-11:35 野島勉 “キャリアドープしたSrTiO3表面におけるポーラー超伝導”

    11:35-12:15 星野晋太郎 “物性物理における相対論効果~スピン・軌道相互作用を超えて~”

    12:15-13:30 昼食

    セッション4: 物質開拓と分類

    13:30-14:10 鬼丸孝博 “希土類ジグザグ鎖の磁気ゆらぎが誘起する多様な量子相”

    14:10-14:50 山崎裕一 “X線吸収分光による拡張磁気多極子の検出法”

    14:50-15:10 休憩

    15:10-15:50 平井大悟郎 “ハイエントロピーアンチモン化合物 M1-xPtxSb (M = Ru, Rh, Pd, Ir)における超伝導”

    15:50-16:30 関真一郎 “トポロジカル磁性体の物質設計と機能開拓”

    16:30- 終わりに